4月28日深夜

ESを書き終わったときにはすでに東京へ行かなければならない時間でかばんにパンツと靴下を2つずつ突っ込んで家を飛び出す。スーツも着ずに。梅田へ行って本屋をうろつき暇つぶし用の本「少年文芸」を買う。あと147円の冷やし中華とお茶を買った。具がハムと卵数本しか入っていない冷やし中華はきゅうり等が嫌いなボクにとってはむしろ望むところだぜ。
午前10時になりバスの発車口、大阪駅の桜橋口へ向かう。席は予想に反して1番前だったのでがっかりしたのだけど、いざ座ってみると前方に大きくスペースが空いており、これもいいなと思い直した。だが、周りの乗客が最悪だった。
左側には若い男性2人組、後部には若い女性2人組。当然といえばそうなのだが2組ともぺらぺらお喋りするし、かかかか、ほほほほ、と大きな声で笑うもんだからやかましくて堪らぬ。
おまけに、ふと横を見ると非常に汚く血色の悪い素足が自分の肘から数センチの距離に放り出されているのである。後部の女性のうちの一人の左足だと思われるが、失礼な話それが気色悪くて気色悪い。どれくらい気色悪いかというと、もずくだと思って食べたら大量の頭髪だった、というくらい気色悪かった。
自分はもう寝てしまおうと思った。そもそもここ数日は眠ることが悪だと言わんばかりの勢いで働き、昨夜も少しく仮眠をとったのみで結局徹夜したのだから今は眠くて仕方無い。移動時間に眠ることは時間効率上まったく問題は無いのだから思い切り寝よう。ただ一つ問題なのは、さっきも書いた通りやかましいのだ。彼ら彼女らは出発してからすでに2時間は経つというのに一向に話すのを止めない。相変わらず、かかかか、ほほほほ、と馬鹿笑いをしているのである。これに耐えつつ眠るのは至難の業だ。これには一つだけ解決策があって、愛用のiPod様に心地良いミュージックを耳に流してもらえば他の雑音は完全にシャットアウトでき、健やかに睡眠をとることができる。そりゃええやんけ、そうせえよ、けれど、あっちを立てればこっちが立たずとこれにも問題があって、他の雑音を完全にシャットアウトするということは、つまり車内放送の類も全く聞こえなくなってしまうのだ。ということは「浜名湖パーキングエリアに着いたよ」とかそういった情報を自分は摂取できず、トイレにも行けない、食事もとれない、ついには車内で尿を垂れ流し、餓死してしまうのである。これは実にまずい。どうしたものかと思案していたのだけど、結局iPodを聞くことにして、でも車内アナウンスが気になり、まんじりともできずに東京へと降り立ったのであった。その足で東京駅へ向かい、ダンボールを敷いて気絶。