4月27日昼

日記というものは日を記すと書くのであって、その日にあった出来事を反芻しノートやこういったblogのエントリーとして書き残すことであって、その性質からほとんど夜、就寝前などに実行されることになる。自分も大半が深夜に書いている。ところがこれを書いている今は午後2時。何故にこのような時間に書いているかと申すと書きたいからである。おいおい、理由になっているようでなってないよと咎められるかもしれないが、書きたいのである。さっき遭遇した出来事を。
本日の自分は深夜に諸々の事務作業を済まし、1時間だけ仮眠をとって本日のプレゼン面接に向けて対策を練っておった。ある程度まとまった時にはすでに午前10時になっていて慌てて家を飛び出した。阪急電車、地下鉄を乗り継ぎ面接会場に到着。面接会場は2つに分かれていて、同時刻に7人の面接者がいたので3人と4人に分かれることになった。一方は30歳前後の気弱そうなおじさん、もう一方はおそらく24,5歳の足の長い美人、といった二人の面接官。何もそんなラインナップでおおくりしなくても、と思いながらできればおじさんの方でお願いしますというボクの願いは通じず、女の子2人と共に3人でお姉さん面接官と相対することになった。お姉さんは確かに美人だったし足もすごく長くてモデルさんでも通用しそうなルックスだったが、気の強そうな目がとても怖かった。
プレゼンはボクから始まった。プレゼンの内容上、特に何も資料は用意せず、ただ原稿を読むだけという淡白なスタイルで挑み、そして何も問題無く終了。後の2人も別段失敗した様子は無くあっさりと終わった。全員が終わり、お姉さんはしばらく黙っていたが、唐突に総括というか感想を述べだした。
「難しい単語がわかんない」「HTLだっけ?あなたはわかってるだろうけど私はわかんないのね」。お姉さんが言っているHTLというのはおそらくHTML言語のことで、ボクがHTMLからXMLにサイト構造が変化してるんだよねっていうことを言ったことに関しての発言だろうと思う。これはボクも懸念していた点で、もしわからなかった時に5分という決められた時間の中で一つ一つ説明する時間も無いと判断したので、「技術面での変化については直接関係は無いので省略します」と前置きを加え、さらに「サイトを構築する言語です」と簡単に説明するだけに留めたのだった。その後の「RSSを配信する」云々については重要な点だったのできちんと説明したし、これは突っ込まれないだろうと思っていたという過信もあったが。って過信も糞も無いだろう。
ボクはお姉さんの発言に対し「あー、やっぱそうっすかー」と言ってへらへらしてたが内心は腸煮えくり返っていた。おまけにお姉さんは「そのHTL?を持ってきてくれたりすれば分かりやすかったんだけどな」って、HTMLは言語だっつってんだろーがよ。というかあんたの会社は真のユビキタス社会を目指すとかうんたらかんたら言ってんだろ。ユビキタスとサイトを構成するマークアップ言語は関係無いかもしれんが、常識として知っとけよ。てかちゃんと聞いてすらいないじゃん。糞糞糞糞っ。
その後もお姉さんは的外れな発言を連発して面接は終わった。もうムカムカしてしまって、すぐさま駅まで戻り電車に飛び乗った。最寄り駅から苛立ちながら自転車を漕ぎ漕ぎ家まで向かう途中に自転車のチェーンがはずれる。ボクの自転車は古すぎて家と駅の往復で3回はチェーンがはずれる仕様になっているので別段驚かず、すぐさま直す。修行の成果かボクは30秒でチェーンを直せる達人になっていたのだ。ところが腹が立っているからか強引にチェーンを引っ掛けてしまいチェーンがギアのあたりに挟まってとれなくなってしまった。「こら!この糞野郎」と罵倒しつつチェーンを必死に引っ張っていると、何者かの視線を感じてふと顔をあげるとそこには真っ黒い猫がにやにやしながら見てやがる。

「てめえまでバカにすんのか、おお?」と威嚇すると黒猫はぷいと顔を逸らし「はは、人間というやつは斯くも愚かな生き物であるな」という様なことを「にゃあ」という一言に要約し発した。「こら、おまえいてまうぞ」と尚も威嚇するボクを無視し黒猫は「はあ。実に愚かだ。ねえ、君もそう思うだろ」というようなことをまたも「にゃあ」という一言で表現した。君?きみとはいったい?よく見ると黒猫の目の前に黒と白の斑模様の猫が座っていた。

その白黒も「あはは、そうだね。バカだね。愉快だね」と返事をしたような気がして、ボクは急に情けなくなり自転車を押してそのまま帰宅した。
そして今これを書いている。腹が立ちすぎて結局授業にも出ずに帰ってきてしまった。もし単位落としたら、あの面接官の所為だ。クソ、いつか死なす。と思ったけど、あの人は職もあり、美貌もあり、おそらくステキな恋人もいるのだろう。勝っている要素が一つも無いことに気がつき絶望。とりあえずボクは美容整形の広告を必死で集めたのだった。