6月6日深夜

たびのとちゅーぅ、ぼくら、とっきにはつっまずいてぇ〜、すすむみちがぁ〜、みえなくなるときもあるでしょ〜♪とかいつの間にか歌ってるから怖いわけで、自分だって歌わないように努力した。努力はしたんだけども無理で、アコースティックな音楽はあまり好んでは聴かないのにどうやっても口からこぼれるのは、腹の中が氷のように冷えきりいくらお酒を流し込んでも一向に溶けず、それどころか流し込んだお酒すら凍らせて口から流れでてくるからで、それが何故自分の好まない曲なのかと言えば、腸が煮えくり返るという表現があるがそれの正に反対だと言えばわかっていただけるだろうか。少し前まではいらいらして全てのことに対して「ムカツクー」と思っていたのだけど、最近はそれすら虚しくなってしまったよ。
そうそう、飼っている猫が一匹死んだ。学校の近くで拾ったときにはすでに病気で痩せ細っていた。それから何とかかんとか1年ちょいばかり一緒に暮らしたんだけども先日死んでしまった。いつもクシャミばかりしている猫で「キシュッ、キシュッ」と言いながらぶるぶる震えていた。電車に乗って連れて帰ったのがいけなかったのか、初めの頃はボクのことを怖がっていつも机の下に隠れてた。写真は一枚も残ってなかった。
昨年か一昨年か判然としないが、大学の知人、というほどでも無い女性から猫をもらってくれないかと持ちかけられたことがある。ボクは二つ返事でオッケーしたのだけど、いざ猫を届けるという段になって彼女は用事があるからと来なかった。代わりに彼女の友人が届けれくれた。その後もその彼女はボクに猫の様子を聞くこともなくすっかり忘れてしまったようだった。ボクはその人が大嫌いになった。ただの偽善、よりも酷い。捨て猫を自己満足の道具に使ったわけだ。猫はしばらくして逃げてしまい帰ってくることは無かった。死んだんだろうと思う。きっと猫はボクに飼われることなんて望んでなくて、自由に生きたいのだろう。餌はきっちり食べるくせに絶対に卑屈な態度をとらない猫がボクは好きで、だからエゴだけで悦に入るような飼い方はしたくないと思ってる。ボクが飼っている猫たちはボクのことを多少なりとも馬鹿にして生きてる。それでいいと思う。ボクは猫が好きだし、猫にたすけてもらうことがたくさんあるから、餌を提供し、時には一緒に寝る。それを猫たちには「こいつ、アホやなー。餌欲しいから機嫌とったってるだけやのに」と言われるんだけど、別にそれには腹は立たないし、逆にそう思っていて欲しいと思う。