2月10日深夜

糞くだらない会社の説明会に出て、一緒だったまこっちゃんと「ああ、くだらない」「おお、くだらない」と言い合い、会場であった尼崎から梅田へ舞い戻り、くだらなすぎて自分は腹が減ったのでラーメンが食いたいなあということを遠回し遠回しにまこっちゃんに伝えたら優しい彼はラーメンに付き合ってくれました。醤油味のラーメンをずるずるやりながらも出てくる言葉は就活のことばかりで、せっかく美味いラーメンを食しているのに心は一向に晴れず、曇天のまままこっちゃんと別れ帰路についたのであります。
ところが梅田から電車に揺られ地元の駅まで戻ったときに衝撃的な光景に出くわし、自分は「このままじゃあいかん、しっかりせねば」と思ったのでした。その光景とは駅のベンチにどかっとノートを広げ、自分は地べたに膝をつき、ベンチを机代わりにせっせと勉強をする年端もいかぬ子供の姿。彼はおそらく将来に対し明確なヴィジョンを持っているはずであります。彼のヴィジョンとは、いずれは一流中学、一流高校、一流大学へ進学し、最終的には一流企業へ就職、美人で料理の上手い女性と結婚し子供は二人、子供が自立してからは奥さんと二人で悠々自適な隠居生活、プーケットに別荘を買い一年の半分はそちらで過ごす、といった感じであろうことは想像に難くない。自分よりも15歳は年下の彼がそうなのに自分ときたらたかだか来年の自分の姿すら見えないとは情けない。やるぞ。オレはやる。明確な目標を立て、それに向かって邁進する。彼のような有望な人間では無いので定年後のことまでは無理としても来年の春くらいは見ておかなければならぬ。ようし、来年の私はどうなっているんだ。そうだ、きっとそうだ。来年の自分は大学で勉強している。